何かを手放すことで新たな出会い 休業が転換点、文筆活動に重心

  •  藤岡みなみ
  •  旅ロケ中の一こま。気球部を取材した日=筆者提供
  •  著書で初めての文庫版『ふやすミニマリスト』(幻冬舎文庫)を今月発売。中国と台湾で翻訳されたほか韓国でも刊行=筆者提供

 2017年、妊娠4カ月のときに出血し切迫流産の診断を受けた。トイレやシャワー以外ではなるべく立ち上がらないようにと言われ、約2カ月間ほぼベッドの上で過ごした。出産ぎりぎりまで元気に働いている知人を見ていたし、まだおなかも膨らんできていない時期だったので青天のへきれきだった。8年間続けた旅番組のMCとリポーターを予定より早く降板することになり、その後、番組そのものが終了した。

 妊娠・出産とキャリアの間で悩む女性は多い。教師をやっている友人は「担当している生徒が卒業するまでは妊娠するわけにはいかない」と言っていた。極端な例では、一度に休むと人員が足りなくなるため、女性たちが暗に妊娠の順番待ちをしている職場もあるらしい。

 もちろん、望んでも計画通りにいくものではない。私もこれまでに3度流産を経験した。不妊治療のスケジュールと体調への影響が激しく、仕事を辞めざるを得なかった知人もいる。出産時に死にかけた友人も2人いる。また、妊娠以外の不意の病やけがで思うように働けなくなる人もたくさんいる。人生は思い描いた通りに進むことの方が少ないのではないか。

 出産の影響を最小にして、なるべくこれまで通りに...

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