【東京ウオッチ】まだ戦争が起こる以前の静寂かもしれない―ワタリウム美術館を舞台に雨宮庸介展

いまのTokyoをつかむイベント情報(3月1日~9日)

  •  雨宮庸介「溶けた林檎」(2004―2024、個人蔵/弘前れんが倉庫美術館蔵)(Photo:Shuji Goto)(提供写真)
  •  雨宮庸介「石巻13分」(2021)の記録映像(2024再編集版、左)を会場で見る人(Photo:Shuji Goto)(提供写真)
  •  「蝿取り紙」撮影中のアンジェイ・ワイダ監督(1969年、日本美術技術博物館Manggha所蔵)(提供写真)
  •  「A.P.C. デニム フォーカス」で紹介されている自然な風合いの「バトラー ウォーン アウト シリーズ」(提供写真)
  •  羽田空港第1ターミナルの新商業エリア「ハネダ スター&ルクス」で購入できるスイーツ(提供写真)

 ◎今週の一推しイベント

 【3月1日(土)】

 ▽「雨宮庸介展-まだ溶けてないほうのワタリウム美術館」(~30日、渋谷区)

 国内外で活躍する現代美術家の雨宮庸介さんの展覧会が、神宮前のワタリウム美術館で開催されている。日常のありふれたモチーフを用いて固定観念をくつがえす彫刻や映像作品を発表してきた約25年の集大成を紹介する。

 狭い扉を開けるとロッカーから展覧会場に出てきたことに気づくインスタレーション「ロッカーの入り口」は、日常と非日常の境界線を表している。

 東日本大震災とコロナ禍を反映した記録映像「石巻13分」は、大震災から10年後に制作した映像インスタレーションを再編集した。宮城県石巻市の日和山公園内にある廃虚の壁に、コロナ禍のベルリンで友人と話す雨宮さんが映し出される。「2011年から欧州に約10年滞在し、被災地は遠くなったが、コロナ禍で世界の人々と同時につらい体験をしたことで、違った種類の共感方法を得られたと思う」

 「長テーブルと林檎が描かれたドローイング」は、会場に合わせたサイズのテーブルに代表作の彫刻シリーズ「溶けた林檎」を並べた作品。「ドイツと日本では同じ品種でもリンゴの形...

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