星空の美しさを「星取(ほしとり)県」としてPRする鳥取県は、県内の星空保全地域で測定した2024年度冬期の夜空の明るさ調査結果を公表した。天の川が観測できる良好な星空環境が維持できており、県の担当者は「地元住民の星空を大切にしようという意識がうかがえる」と評価している。
県星空保全条例に基づく独自の調査。美しい星空環境を保全する「星空保全地域」に指定された鳥取市佐治町、倉吉市関金町、八頭町、若桜町、日南町、日野町、江府町の7地域について、それぞれ5~7地点を選び、夏と冬の年2回測定している。今冬は天候不良や積雪、路面凍結などにより調査できない地点が多く、計29地点(前年冬期43地点)で測定した。
このうち佐治川ダム(鳥取市)や新小泉橋(倉吉市)など5地点(同17地点)では、天の川の構造や星団などが観測できる最上位の21等級を獲得。天の川がよく観察できる20等級は20地点(同24地点)、天の川が見え始める19等級は4地点(同2地点)だった。
県環境立県推進課は21等級の調査地点が減少した要因について「例年21等級が多い若桜町や日南町で調査できなかった」と説明。それらの地点は、環境の変化が少なく地元の理解があるため、良好な星空環境が維持できているはずと推測し、「測定値は星空をブランドとして売り出している全国の地域と遜色ない水準。自信を持ってPRできる」と話している。