【茂木健一郎のニュース探求】目が離せない米中報復関税の応酬 「上有政策、下有対策」で工夫を

  •  2025年4月7日、カナダ・バンクーバーでのTED会議に参加した茂木健一郎さん=筆者提供
  •  4月2日、「相互関税」の導入をホワイトハウスで発表するトランプ米大統領(ロイター=共同)
  •  トランプ関税を巡る主な動き
  •  4月7日、トランプ米大統領との電話会談を終え首相公邸で取材に応じる石破茂首相。最側近の赤沢亮正経済再生担当相を対米交渉担当に起用した
  •  対日相互関税のイメージ

 アメリカのトランプ大統領が仕掛けた相互関税措置が、世界を揺るがしている。日本を含めた各国が対応に追われ、税率の根拠やその目的を巡ってさまざまな議論が巻き起こった。

 その後、この措置への報復関税を実施しなかった国などに対し、第2弾として発動した上乗せ分を90日間停止すると発表。一方、中国との間では、お互いに高率の「報復関税」をかけ合う事態となった。

 このようなニュースが飛び交っていた4月上旬、私はTED会議(※編注)に参加するためカナダのバンクーバーにいた。※編注=アメリカに本部を置く非営利団体主催の世界的な講演会。TEDはテクノロジー・エンターテインメント・デザインの略で、各分野の専門家や著名人がプレゼンする

 会場での議論や、休憩時間の参加者との雑談、そして滞在中に見聞きした報道でも、アメリカの動きは高い関心を集めていた。とりわけ、カナダはトランプ大統領から「アメリカの51番目の州になればいい」などと「口撃」されていたこともあって、「本当に困ったものだ」という雰囲気に包まれていた。

 バンクーバー在住の方々に聞くと、アメリカ製品ではなくカナダ製品を買おうとする動きや、3月に就任したばか...

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