「男同士じゃつまらんね」の奥底にあるもの 想像力で空洞照らす

  •  清田隆之さん
  •  フジテレビが設置した第三者委員会の記者会見で話す竹内朗委員長(手前右から2人目)=3月31日、東京都港区のフジテレビ
  •  フジテレビ本社

 フジテレビの第三者委員会が3月31日に公表した「調査報告書」にようやく目を通した。結論まで267ページも費やされている資料で、読み終えるのに長い時間がかかったが、相当に踏み込んだ内容だった。

 報告書を読めば、中居正広氏のやったことは卑劣な性暴力であり、被害者にとってはフジテレビの「業務の延長線上」で発生した深刻なハラスメント事案であったことがよくわかる。

 中居氏が懇意だったフジテレビ社員B氏とやりとりしていたメールの内容、上層部の意向や対外的な見え方ばかりを優先するフジ幹部、社員からの聞き取り調査によって浮かび上がってきた過去のさまざまなセクハラ事案などを踏まえ、中居氏の性暴力が単なる個人の愚行ではなく、歴史的・構造的に形作られてきた問題として位置づけられていたところが印象的だった。

 しかし、当連載のテーマに引きつけて考えるならば、ここに出てくる男性たちの取った行動の、その中核にある「意図」や「動機」についてはあまり語られておらず、ぽっかり空洞になったままだという印象も残った。それは、どういうことか。

 例えば中居氏は自分のマンションでバーベキュー(BBQ)パーティーをする際、B氏に「...

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