「快適」にこだわったくつろぎを

「BIG ROO M GUEST HOUSE」 轟 和則さん

 都心でありながら閑静な環境が魅力の大阪天満宮界隈(かいわい)。そこに今から4年前、府内最大級の面積を誇る快適な空間が誕生した。「1フロアに1室のみ、計5室あります。女性の意見を取り入れ最高のくつろぎとだんらんを提供しています」。映画のセットに出てきそうな広々としたリビングを案内してくれるのは、『BIG ROOM GUEST HOUSE』(ビッグルームゲストハウス)でマネジャーを務める轟和則さんだ。

 京都府城陽市生まれ、幼少期から運動神経が抜群で修学旅行先の鳥羽で見たブラジルの移民船に心が躍った。「1万トンの大きな船でした。海がないところで育ちましたから…これで地球の裏側まで行けるのかと思いました」。

 中学に進学すると陸上の世界で頭角を現し京都府大会で入賞。強豪、洛南高校から誘いを受けフィールドに青春時代をささげた。後半はけがに泣き選手生命を絶たれたが、部訓である「挨拶(あいさつ)・思いやり・感謝」の精神を学んだ。高校卒業後は東海大学法学部に進学、時間を見つけてはバックパッカーとして世界を放浪した。

 その後、海運業の営業職を経て家業だったビデオソフトの卸売販売会社を手伝う。傍ら自身はアパレルショップを関西一円に展開した。アベノミクスによりインバウンド需要が高まると宿泊業を開始。仕事は順調だったがコロナの影響で先の見えないトンネル生活を余儀なくされた。「長期滞在者やパーティー会場として貸し出しながら乗り切りました。昨年末からようやく海外旅行者の予約が入るようになりました。現在、54歳ですが今後は海外へのプチ移住生活を仕事で広めていきたいですね。若き日にいろいろな方から親切を受けました。今度は自分が恩返しする番です」。

 陸上部時代に培った気配りの精神は、意外な場所で生かされている。

(コラムニスト)

 ■BIG ROOM GUEST HOUSE 
大阪市北区松ケ枝町4の20、電話(0120)992380
 【公式HP】https://www.bigroom―guesthouse.com

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