6月街角景気が悪化、値上げラッシュに伴う節約志向が響いた

  •  永浜利広(第一生命経済研究所首席エコノミスト)

 先週、内閣府から6月の景気ウオッチャー調査(街角景気)が公表されました。これによれば、景気の現状判断指数(DI)が5カ月ぶりに低下しました。現状判断DIは家計動向、企業動向、雇用といった三つの関連DIから構成されているのですが、今回はいずれも低下しました。

 ただ、家計動向関連の内訳を見るとまだら模様となっており、サービスや住宅の関連が上昇する一方で、小売りや飲食関連が低下しました。この理由をコメント集から判断すれば、新型コロナウイルス感染症の5類移行やインバウンド拡大などにより、サービス関連が持ち直していることがうかがえます。しかし、一方の小売りや飲食の低下は、6月に多くの地域で電気料金の引き上げが行われたことなどから、値上げを背景とする消費者の節約志向の強まりが影響したようです。

 続いて企業動向関連の内訳を見ると、製造業・非製造業がいずれも低下しました。こちらもコメントから判断すれば、製造業の悪化は、世界的な在庫調整に伴う受注や出荷の減少が影響しています。これに対して非製造業は、光熱費に加えて人件費も高騰していることが収益を圧迫している様子がうかがえます。

 そして雇用関連のコメント...

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