東京・池袋の古代オリエント博物館で、動植物をかたどった容器や護符など約280点を紹介する特別展「西アジアのいきもの」が開催中だ。歴史の中で変化していった、人と動物の関係をたどることができる。9月10日まで。(共同通信=中井陽)
ヤギが描かれた彩文土器や騎馬人物像、クジャクのモザイク画…。紀元前6千年紀の先史時代から中世に、現在のトルコからイランに当たる地域の人々が作った作品を展示。動物園のように、モチーフとなった生き物の生息地や種類で分類し、8章構成で紹介する。
平原ゾーンの第3章にはライオンが登場。銀製の「獅子形容器」は前アケメネス朝ペルシャで作られ、獲物の牛を巡り2頭のライオンが争う様子を迫力たっぷりに表した。王の権力を象徴したライオンは、古代ローマ時代には市民の娯楽の見せ物になる。
第4章、砂漠に着目した乾燥地ゾーンでは、ロバや馬、ラクダを模した像などが並ぶ。家畜として物流を大きく変えた生き物との関わりが分かる。
同館の千本真生主任研究員は「食用や移動手段になった大切な動物を、古代の人がどう表現してきたかを実際に見て、考えてほしい」と話した。専門家によるシンポジウムや、粘土で動...