よみがえれ米子城 「第50回米子がいな祭」を前に城形バルーンの“築城”イベント

 いざ、半世紀の節目となる祭りへ-。鳥取県米子市で19、20両日に開催される「第50回米子がいな祭」(同祭振興会主催、新日本海新聞社特別後援)を前に、50周年記念事業として同市久米町の国史跡・米子城跡で18日、米子城形バルーンの“築城”イベントが開催された。「よみがえれ米子城」と銘打って、かつての米子城を再現したバルーンが市民らの協力で天守台に登場し、祭りムードを盛り上げている。

 第50回特別実行委は「ダラズげなことを真面目に本気で」をコンセプトとして、失われた米子城を復活させる記念事業を考案。米子城形バルーンは1993年の第20回同祭でも製作され、JR米子駅前に展示されたが、文化財保護の観点から米子城跡への設置はかなわず、関係者らの30年越しの悲願となっていた。

 今回のバルーンは高さ11メートル、底面約8メートル四方、重さ約350キロ。以前にも製作を手がけた中部アド(三重県伊賀市)が米子城の仮想現実(VR)画像などを参考に製作した。同実行委は市民参加型の企画にしようと設営のボランティアを募り、市民ら計約130人が設置作業に参加した。

 枡形(ますがた)での出陣式では、甲冑(かっちゅう)姿で登場した同祭振興会長の伊木隆司市長が「いよいよ50回の節目。コロナからの復興をかけたのろしを皆さんと上げたい」とあいさつし、米子城武者隊の演武が披露された。

 ボランティアは背負子(しょいこ)に約12・5キロの土のうを積み、汗を流しつつ励まし合って天守台と枡形を往復し、土のう160個を運搬。バルーンは40~60キロのパーツに分割して陸上自衛隊米子駐屯地の隊員らが運び、天守台で中部アドの社員らが組み立てた。バルーンを土のうやロープで固定しながら膨らませ、節目にふさわしい「がいな」スケールの米子城を完成させた。

 参加した米子東高1年の大前マヤさん(16)は「自分たちが運んだものががいな祭につながるのはうれしい。祭りが第100回まで続いてほしい」と笑顔。記念事業担当の松浦啓介部長は「市民の皆さんと共に汗をかき、達成感もあった。市内各所から見えるのでぜひ楽しんで」と話した。

 バルーンは祭り期間中、午前10時から午後9時まで展示される(風速6メートル以上の時は展示中止)。夜間はライトアップされる予定。

この機能はプレミアム会員限定です。
クリップした記事でチェック!
あなただけのクリップした記事が作れます。
プレミアム会員に登録する ログインの方はこちら

トップニュース

同じカテゴリーの記事