鳥取県内で今年発生した特殊詐欺の被害額が、8月末時点で過去最悪を更新した。保険料の返還を促す「還付金詐欺」や警察官などを装う「キャッシュカード詐欺盗」などの手口が増加し、被害者の8割強を60歳以上が占める。鳥取県警は「県内では毎日どこかで詐欺の電話がかかっている。自分は大丈夫と思わず防犯意識を高めることが重要」と注意を呼びかける。
県警のまとめによると、今年1月から9月26日までに認知した特殊詐欺被害の件数は46件、被害総額は1億9108万円に達した。現在の集計方法になって以降、最悪だった2014年の年間被害額1億5911万円を8月末時点で上回り、現在も週1件に近いペースで被害が出続けている。
手口で最も多いのは、役場の職員や年金事務所職員などを装い、年金や医療費などの払い戻しがあると言ってATMへ誘い出す「還付金詐欺」。これまでに19件が発生し、被害額は約2400万円。犯人は被害者と直接会わずに電話で指示するため検挙されにくく、全国で増加傾向にある。