西部地震機に地盤問題表面化、米子の大沢川暗渠 23年経て閉塞の道へ

住民不安「一日も早く」

  • 「大沢川暗渠排水路被害者連絡協議会」のメンバーに暗渠を閉塞する考えを伝える平井知事=8月12日、米子コンベンションセンター

 2000年10月6日の鳥取県西部地震で家屋が傾くなどの被害があった米子市内の農業用排水路「大沢川暗渠(あんきょ)」の問題が表面化して23年が経過した。足元に埋まるヒューム管が耐用年数を超えるなど今もなお、周辺の住民は不安にさらされている。長らく解決策が示されない中、県と市は8月に暗渠を閉塞(へいそく)する方針を表明。問題解決に向けた動きが始まった。

 暗渠は昭和30年代、当時は水はけが悪かった同市福米、両三柳地区の農地の排水機能を改良しようと県が整備した。土地を買収できず、工事期間中は借地でヒューム管を埋めて整地、地権者に返還。同40年代以降は市街化が進んで暗渠上にも家が建つようになった。現在は受益者が減り、当初の農業用排水としての役割よりも都市排水の役割が大きいのが実情だ。

 時が過ぎ、県西部地震によって同市上後藤、旗ケ崎両地区でヒューム管を埋めた土地の地盤が緩く、家屋48戸の壁に亀裂が入るなどの被害が発生。県と市は地盤改良工事をしたが、今も家の基礎がひび割れたり、壁紙にひびが入ったりといった事象が起きているという。

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