若桜鉄道が保有する蒸気機関車(SL)が4年ぶりにピンク色に塗装され、21~29日の期間限定で若桜駅(若桜町若桜)に登場する。現在急ピッチで塗り替え作業が進んでおり、16日夕方までに全体の約7割が鮮やかなピンク色に染め上げられた。ピンクSLの復活に全国の鉄道ファンが注目している。
鉄道の利用促進と沿線活性化を目的に2016年から実施。多くの見物客でにぎわう人気イベントだが、新型コロナウイルスの影響で20年から中止していた。
4年ぶりに復活するピンクSLは、21日に若桜駅でお披露目され、構内走行やライトアップでイベントを盛り上げる。22日には八頭町の八東体育文化センターで、鉄道写真家の中井精也さんによるトークショーや、鉄道好きお笑い芸人のライブなどが開催される。
塗り替え作業は9月末から始まった。通常は黒色の車体だが、さびを取った後で、ピンク色がきれいに発色するように白色の下地を塗布。煙室扉やヘッドライトなどのパーツは色が付かないように保護している。16日は、同鉄道の谷口剛史車両係長がスプレーで細やかな箇所までピンク色の塗料を吹きかけていた。
中山大介運輸課長は「鉄道ファン以外にも多くの人に来てもらい、これを機に若桜鉄道に興味を持ってほしい」と話した。