恐竜化石の一大産地として知られる福井県勝山市にある「福井県立恐竜博物館」。太古の生き物たちの謎を解き明かすのに欠かせない化石に、研究者さながらの体験を通じ、迫れる。(共同通信=藤原朋子)
まずは7月の改装でオープンした新館で、常設の「化石研究体験」をのぞいた。「化石クリーニング」や「CT化石観察」など三つのプログラムを楽しめる。
クリーニングでは、体験用の石から恐竜の歯のレプリカを取り出す。専用の道具は空気が針状の先端を振動させる「エアスクライバー」。強い力と繊細なものの2種類を使い分ける。ペンのように持ち、ジージーと機械音が響く中、スタンドルーペで手元を拡大し、歯の周りの石をひたすら削る。
挑戦した小学6年大津吾文君(12)は「歯と石との境目を削るのが一番難しかった。歯をとにかく傷つけたくなかった」と話した。
CT化石観察へ。化石を壊さず、内部を分析する。CTスキャンから作った3次元の復元化石が画面に映し出される。
約1億2千万年前の地層「北谷層」の石や恐竜の化石など全12種類のうち、気になる化石の内部の特徴を調べていく。画面にタッチすると、拡大や縮小ができる。断面を操作すれば、奥...