小さな町で暮らす老夫婦や女子高校生の心温まる日常を描いた漫画「特別じゃない日」(実業之日本社)が、交流サイト(SNS)を中心に静かな人気を集めている。
1月18日には第4弾となるコミックスが発売。作者の稲空穂さんは「身近な人みんなが健康で、穏やかに過ごせる。そんな日常がどれだけ尊い時間なのか、日々かみしめながら描いている」と話す。
人気の秘密は読者に「あるある」と思わせる人物造形とエピソードだ。娘や孫と交流するため慣れないスマートフォンに挑戦するおばあちゃん、アルバイト先の先輩の言動に悩む女子高校生、苦手な猫を拾ってSNSで助けを求める青年…。
身近で実際に起こりそうな出来事が、登場人物のちょっとした思いやりで平和に解決する展開は「こんな風に互いを思い合って暮らせたらいいのに、という理想を投影している」と稲さん。現実には、誰もが常に他人に優しくできるわけではない。「それでもこの作品をきっかけに、身近な人に少し優しくしてみようと思う人が増えたらうれしいです」と語る。
第4弾は、映画を巡るさまざまな思い出の物語。名作「スタンド・バイ・ミー」や人気アニメ「クレヨンしんちゃん」の劇場版など、...