入試のシーズンが終盤を迎えている。受験生にとっても、家族にとっても落ち着かない時間。そして、日本の入試の在り方が問われて随分久しい。
諸外国に比べ、日本の入試は「ペーパーテスト」の点数に依存する傾向が強いことは事実である。中学入試から大学受験まで、一斉に実施される筆記試験の優劣で合否が決まっていく。その対策のために多くの子どもが予備校や塾へ通い、家庭にとって教育費の負担は重い。
最近は特に大学入試で、総合的に判断するAO方式が広がってきたが、依然として、ペーパーテストとその対策が、受験生と家族にとっての関心事であることに変わりはない。
そのような日本の入試の在り方を改革しようと、長い間議論されてきたが、あまり変化がないように思う。変わるとしても、極めてゆっくりである。結局は、従来型の入試を前提に、受験生と家庭が対策を立てるという実態が続いている。
日本の入試をどう考えるべきか? 一つ確かなのは、改革を唱えたり議論したりするのは良くても、受験という試練に今直面している子どもたちには関係がない、ということである。未来のことは別に考えるとして、現実の課題に向き合わざるを得ないからだ。教育に...