【茂木健一郎のニュース探求】どうなる日本の入試制度 合否は人生の幸せに直結せず

  •  茂木健一郎さん(撮影・佐藤優樹)
  •  能登半島地震の被災地で大学入学共通テストの会場に向かう受験生ら=1月13日、金沢市の金沢大
  •  大学入学共通テストに臨む受験生=1月13日、東京都文京区の東大
  •  米ハーバード大のキャンパス=23年6月、マサチューセッツ州ケンブリッジ(ゲッティ=共同)
  •  学問の神様として知られる東京都文京区の湯島天神で、合格祈願の絵馬を奉納する受験生=23年1月(画像の一部を加工)

 入試のシーズンが終盤を迎えている。受験生にとっても、家族にとっても落ち着かない時間。そして、日本の入試の在り方が問われて随分久しい。

 諸外国に比べ、日本の入試は「ペーパーテスト」の点数に依存する傾向が強いことは事実である。中学入試から大学受験まで、一斉に実施される筆記試験の優劣で合否が決まっていく。その対策のために多くの子どもが予備校や塾へ通い、家庭にとって教育費の負担は重い。

 最近は特に大学入試で、総合的に判断するAO方式が広がってきたが、依然として、ペーパーテストとその対策が、受験生と家族にとっての関心事であることに変わりはない。

 そのような日本の入試の在り方を改革しようと、長い間議論されてきたが、あまり変化がないように思う。変わるとしても、極めてゆっくりである。結局は、従来型の入試を前提に、受験生と家庭が対策を立てるという実態が続いている。

 日本の入試をどう考えるべきか? 一つ確かなのは、改革を唱えたり議論したりするのは良くても、受験という試練に今直面している子どもたちには関係がない、ということである。未来のことは別に考えるとして、現実の課題に向き合わざるを得ないからだ。教育に...

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