隠岐の島の高校3年生が実家のある静岡から600キロ歩いて卒業式に向かっている-。ウソのような情報を聞きつけて、21日から鳥取県を横断し始めた本人に話を聞きに行った。「歩いて卒業式へ」と書かれたビラを付けたリュックを背負い、痛む足や睡魔、空腹と闘いながら、ゴールへ一歩ずつ歩みを進めている。
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厳しい縛り
実家から学校まで600キロの道のりで、徒歩通学に挑戦しているのは、静岡県掛川市出身で隠岐島前高3年の村松新太さん(18)。
村松さんは旅行と映像制作に興味を持っており、高校卒業後は日本や世界を旅する映像クリエーターを目指している。高校生活最後となる実家からの登校を控え、「せっかくなら歩いてみたら面白いのでは」と今回の挑戦を企画した。
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計画は2月4日から27日までの23日間、実家のある静岡県掛川市から隠岐行きフェリーが就航する境港市までの約600キロを歩く。1日30キロペースで進んでいるが、最長で60キロ移動したこともある。
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兵庫県を縦断して21日午後3時ごろ、鳥取県入り。22日からは県内を横断して一度松江市を経由し、境港市にたどり着く予定だ。
旅の予算は2万円で、1日千円で生活する。荷物はリュック一つで最低限の準備しかしていない。食事は値段が安く、カロリーが高いシリアルを重宝。夜は休息時間だが、寒さに耐えられない時はあまり寝ずに移動を再開することもある。
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支えは周囲の応援
厳しい縛りをかける理由について、村松さんは「歩くだけなら誰でもできる。自分にしかできない挑戦にしたかった」と語る。
長距離の移動で足にはたこや霜焼け、股関節に痛みが残り、何度も諦めそうになった。
支えになったのは周囲の応援。挑戦の様子をインスタグラムで発信しており、投稿された写真や動画を見た人から多くのメッセージが届く。街で出会った人からもビラを見て「頑張れ」と声をかけてもらったり、差し入れをもらったりすることで、自然と元気が沸く。定番の卒業ソングを聴きながら歩くのも、やる気の維持につながっている。
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残り距離が減るごとに、自信がついてきた。「疲れ切っているが、だんだん歩くのが気持ち良くなってきた。無事にゴールして、すがすがしい気持ちで卒業式に出たい」と意気込み、西に向かって歩き始めた。(黒阪友哉)
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実家から600キロ歩いて卒業式へ向かう様子を発信している村松さんのインスタグラムのアカウントはこちら。【https://www.instagram.com/arata56mu?igsh=MXNwMjV1aXE3MzltcA==】