自民党派閥による裏金事件をめぐり、2月28、29日に衆院政治倫理審査会が開かれる予定だ。これは、松野前官房長官ら安倍派、二階派の5人が開催を申し出たもので、いずれもが非公開で応じる意向だという。
この政治倫理審査会は、その政治家が「行為規範」などの規定に著しく違反し、道義的に責任があるかどうか審査する場だそうだ。委員は与野党の国会議員で、その3分の2以上の賛成で「登院自粛」などの勧告を出せるが、過去の審査会で勧告が行われた例は一度もない。
私がかかわる職業の領域で、審査会といえば、厚労省が行う「医道審査会」が思い浮かぶ。これは医療の専門家や他の分野の有識者からなる委員が、刑事事件で有罪確定などした医師や歯科医師の道義的責任を審査する場で、「免許取り消し」「医業停止3年」といった重い行政処分も行われる。それでも、一般の人からは「刑事事件で有罪にならなくても医師の道に外れている人はいるはず」「処分が軽すぎる」といった批判の声も少なくないと聞いた。
もちろん、診療報酬の不正請求で詐欺罪と確定したようなケースと今回の裏金問題のケースとを同列に語ることはできない。とはいえ、「勧告が行われた例は...