政府観光局が2月21日に公表した統計によると、1月に日本を訪れた外国人客は268万8100人となり、新型コロナウイルス感染拡大前の2019年1月とほぼ同水準でした。しかし、前月(23年12月)の273万4000人に比べると減少しました。
この背景には、元日に発生した能登半島地震を受け、日本への旅行を控える動きが一部で出たことがありそうです。こうした影響を考慮すれば、今後も訪日需要の回復が続くかどうかを現時点で見極めるのは難しい状況となっています。
1月統計を国別に見ると、前月比で訪日客の減少が目立ったのは香港や米国、タイなどです。一方で、中国や台湾、韓国といった東アジア諸国・地域からは増えています。
特に、コロナ対策に伴う渡航制限の解除が遅かった中国人観光客は、19年1月の水準と比べて5割台まで回復しました。コロナ前の実績にはまだ遠いものの、23年12月は4割強にとどまっていたので、順調に戻ってきていると言えるでしょう。
中国人客は2月10~17日の春節(旧正月)休暇によって、さらに増加したとみられます。国内航空会社の中国発航空便の予約状況によると、春節期間は19年比で5割強の水準で...