アメリカの主要都市ニューヨークの地下鉄で、車両同士の間を行き来できる貫通路を59年ぶりに復活させた川崎重工業グループ製の新型車両が2月に登場した。長い“封印”を解いて貫通路を復活させた背景には、一部の「超非常識行動」への対策という狙いがあった。
▽型式名は「R211T」
新型車両の型式名は「R211T」。川崎重工が最大で1612両を納入する契約を結んだステンレス製車両「R211」のうち貫通路を備えたタイプだ。ニューヨーク中心部マンハッタンの北部のハーレム地区にある168丁目駅と、イースト川を挟んでマンハッタンの対岸にあるブルックリン地区のユークリッド通り駅を結ぶ路線「C系統」で2月1日に営業運転が始まった。
1編成には全長18・4メートルの車両を5両つないでおり、これらの車両同士をつなぐ4カ所の連結部分に「オープンギャングウェイ」(Open Gangway)と呼ばれる周囲を覆った貫通路を設けた。
現在は4編成が導入されており、都市圏交通公社(MTA)は2編成を連結した10両の電車を2本運行している。編成同士の連結部分には乗務員室があるため、利用者は通り抜けできない。
貫通路は、日本で...