【永浜利広 深読み経済ニュース】設備投資拡大で成長率プラス改定 消費低迷下、内需けん引か

  •  永浜利広(第一生命経済研究所首席エコノミスト)

 財務省が4日発表した2023年10~12月期の法人企業統計によると、金融・保険業を除く全産業の売上高は前年同期比4.2%増の388兆2060億円、経常利益も13.0%増の25兆2754億円でした。増収増益となったのは4四半期連続です。

 ただ、季節調整済みの前期比で見ると、経常利益は2.6%減と2期連続のマイナスでした。企業業績は23年4~6月期をピークとして、ややもたついている点には注意が必要です。背景には世界的な需要減速や国内の個人消費低迷などがあり、企業を取り巻く環境は必ずしも良好とは言えないでしょう。

 先行きも世界的な需要減速に加え、能登半島地震の影響などに伴う自動車輸出・生産の鈍化が続き、物価変動を考慮した実質賃金の下落で消費も低迷するとみられ、停滞感が強まりそうです。

 こうした中で、唯一気を吐いたのが設備投資です。全産業の設備投資(ソフトウエア投資を除く)は前年同期比11.7%増の12兆3323億円と、伸び率が前期の1.7%から一気に拡大しました。季節調整値も前期比8.0%増、2期連続のプラスという力強い結果です。

 今後は輸出減速や業績鈍化の影響を受けやすい製造業で伸び悩む...

残り 666 文字
このページは会員限定コンテンツです。
会員登録すると続きをご覧いただけます。
無料会員に登録する
会員プランを見る
会員登録済みの方
この機能はプレミアム会員限定です。
クリップした記事でチェック!
あなただけのクリップした記事が作れます。
プレミアム会員に登録する ログインの方はこちら

トップニュース

同じカテゴリーの記事