【茂木健一郎のニュース探求】AIは人間に取って代わるか 個性や創造性に自信を

  •  茂木健一郎さん(撮影・佐藤優樹)
  •  米オープンAIのロゴと、同社開発の対話型AI「チャットGPT」の画面(AP=共同)
  •  電動自転車に搭載されたチャットGPT=24年1月、米ラスベガス(共同)
  •  自動記事作成ツールを紹介するRimoのブース=24年1月、米ラスベガス(共同)
  •  ドイツのフォルクスワーゲン(VW)が公開したチャットGPT搭載の車内システム=24年1月、米ラスベガス(共同)

 人工知能(AI)の発展が目覚ましい。一方で、いったん立ち止まって考えるべき時期のようにも思う。今後、AIの「冬の時代」が訪れる可能性すらある。

 これまで、AIの研究は期待が盛り上がるブームと、熱が急速にしぼむ冬の時代を何度も繰り返してきた。現在の熱狂には当面終わりがないように見える。実際、発展の勢いは衰えないようだ。それでも、どこかで壁に突き当たるかもしれない。

 AIの社会的インパクトは増大している。だからこそ、これから予想される限界を冷静に見極めておくのが良い。

 現在のブームの中心にある、対話型のチャットGPTなどの生成AI。人間によるものと見まがうような質の文章や絵、映像を生み出すその能力は驚異的である。学生のリポート作成や、企画書・プレゼンなどのビジネス分野での応用も進む。それに伴って、生産性はもちろん倫理面からの検証も必要になってきている。

 私自身、大学で教える立場であるが、学生のリポートで生成AIへ過度に依存したものは、読んでいて面白くない。生成AIの活用をどれくらい認めるか、大学によってその方針はさまざまだが、倫理的に言っても、また、学習の本質から言っても、補助的な役割に...

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