人気アニメ「Ｆｒｅｅ！（フリー）」の参考ロケ地とされる岩美町田後の観光地、田後公園で、遊歩道や展望台周辺に設置された転落防止柵の損傷が進んでいる。多くのファンが足を運ぶことから、町は安全性と景観の悪化を懸念。改修費用を集めるため、来月からクラウドファンディング型のふるさと納税で寄付を募る。目標額は１５００万円。ファンが喜ぶ返礼品も用意した。
田後公園一帯には１９９９年に整備された杉製の転落防止柵（総延長１９６メートル）があり、経年劣化で木のひび割れや腐食、一部の柵が抜けるなどしている。岩美町は本年度から３年間、総事業費１８００万円をかけて改修を計画。本年度は７～８月に田後港から第１展望台に上がる部分と、第２展望台につながる部分にある遊歩道計５３メートルに新しい転落防止柵を整備する。早期に目標金額を達成した場合は計画の前倒しも視野に入れる。
転落防止柵は、県基準の高さ１１００ミリに統一。素材には耐久性の高い樹脂でできた擬木を使用するが、アニメファンに配慮し、現況にできる限り近づけたデザインにする。工事期間中も公園の利用は可能で、大阪市から車で公園を訪れた大野綾香さん（３６）は「安全に配慮し、景観を保ちつつ修繕してもらえるのはありがたい」と話した。
寄付は２種類のインターネットサイト「ふるさとチョイス」と「ふるなび」で６月２８日午前１０時から受け付け開始。２千円から寄付ができ、寄付金額に応じた返礼品がある。１万円、１万５千円の寄付では展望台のはりの部分などに、寄付者のフルネームを刻印した名刺サイズのステンレス製銘板を設置する。
商工観光課は「田後周辺は美しくどこか懐かしい風景がある。これからもこの景色を安心安全に見てもらえるよう、力添えをお願いしたい」と呼びかける。
