【養老先生に人生相談!】保育園での「教育の狙い」に疑問を感じます

  •  養老孟司さん(撮影・小島健一郎)

 【相談】短大を卒業してから23年間、保育士をしています。現在、勤務する保育園ではよく「教育の狙い」について協議するのですが、私はこれに疑問に感じています。子どもは自然豊かな環境があれば、自分で遊びを見つけ、人間関係も学ぶと思います。楽しい思い出をつくってさえあげればいいと思うのですが、実際は「子どもにとってどうなのか」「何を学ばせたいのか」と、大人があれやれこれやれと本当にうるさい。子どもたちをかわいそうに思うだけでなく、私自身も無理に「狙い」を立てる毎日が苦しいです。(長野県 保育士 43歳女性)

 【養老孟司先生の回答】

 子どもたちのことを第一に考えれば、あなたのおっしゃる通りですね。昔から「親はなくとも、子は育つ」と言いますが、子どもは基本的に自然の状態に置いておけばいい。

 ▽子どもは自然に

 私は、以前から日本を「手入れ文化の国」と言ってきました。日本は海外と比べても自然がよく変化します。四季はあるし、季節にはすごい勢いで草木が生い茂る。人間の都合通りに動いてくれない自然の存在を認め、むやみにコントロールせずに必要なものにだけ手を入れる。そうやって里山を守り、田畑を育ててきた。子...

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