9月に予定される自民党総裁選まで約2カ月。同党の石破茂元幹事長(衆院鳥取1区)の周囲が慌ただしくなってきた。裏金問題に端を発する同党への強烈な逆風により、公然と岸田文雄首相の退陣論が飛び交うなど党内は混迷しており、「ポスト岸田」を巡る報道も加熱している。過去4度、総裁選で敗れてきた石破氏だが、派閥の解散など党内状況に変化があり、鳥取県内では地元出身首相の誕生に期待が高まる。推薦人の確保、国会議員票の動向、石破氏の現在地はどこにあるのか。周辺を取材した。
「妻から『私も聞いてないわよ』と言われた。根も葉もないの典型。大迷惑だ」。6月28日に朝日新聞が「石破氏、総裁選立候補へ」と1面で報じ、石破氏は周囲にこうぼやいた。