今年は五輪イヤー。国立競技場など五輪にゆかりのある運動施設が集まる、東京都渋谷区のJR千駄ケ谷駅周辺を歩いた。
駅の改札を出ると、東京体育館のメインアリーナが現れる。かつて徳川宗家が所有していた土地に立つアリーナは、巨大なUFO(未確認飛行物体)のようだ。体育館の南側へ抜けると国立競技場。木材をふんだんに取り入れた競技場の屋根を仰ぎ見て、無観客で開催された東京五輪の切ない光景を思い出した。
国立競技場の南側には日本オリンピックミュージアムがある。1階では、パリ五輪の実施競技を紹介する企画展を12月15日まで開催中。アーチェリーなどの体験コーナーや、卓球女子日本代表の早田ひな選手と対戦しているような写真が撮れるスポットも。
2階の常設展では五輪の歴史を多角的に学べる。ウサイン・ボルト元選手が陸上男子100メートルで9秒63の五輪新記録をマークした際の歩幅を示すスポットでは、爆発的な走りが目に浮かんだ。ミュージアムのスタッフは「五輪はメダルを取るための大会ではない。来館して、世界平和を願った近代五輪の父、クーベルタン男爵の理念に触れてほしいです」と話す。
10分ほど歩いて明治神宮外苑のシ...