パリ五輪の選手村に“心のケアセンター”が開設されているそうだ。
「マインドゾーン」と呼ばれるスペースにはリラクゼーションのための設備があり、専門スタッフも常駐していて心のケアを必要とする選手の対応にあたるという。
選手たちが、強いプレッシャーから不安や緊張を感じ、自分ではどうにもできなくなることもあるかもしれない、というのは誰にも想像がつく。加えて今は、SNSでの誹謗(ひぼう)中傷やデマの拡散という新しい問題もある。
とても良い試みだと思うが、いちばんの懸念は「選手たちが気軽に利用してくれるか」ということだ。とくにトップレベルにいるアスリートたちは、自分のメンタルのコントロールも技術のうちと考えがちだ。あるいはすでにメンタル・コーチがついていて、その人が日ごろのアドバイスをしてくれている。
ただ、オリンピックでは何が起きるかわからない。4年に一度であること、世界中が注目していることから、思わぬ不調が生じるかもしれない。また、最近のSNSのコメントはどんどん過激化しており、脅迫のような投稿を見てパニックに陥る選手もいるのではないか。
そういうときに、「そうだ、ちょっと話してみよう」と選...