劇団四季「ジーザス・クライスト=スーパースター」 見どころ紹介(上)

作品際立つ舞台美術 音楽と歌のロック・オペラ

 劇団四季「ジーザス・クライスト=スーパースター」(新日本海新聞社主催、鳥取県文化振興財団共催)が20日、倉吉市のエースパック未来中心大ホールで開かれる。イエス・キリスト(ジーザス・クライスト、以下ジーザス)が十字架にかけられるまでの最後の7日間を描いたミュージカルで、音楽、演出、舞台芸術など圧倒的リアリズムが高く評価され、芸術選奨文部科学大臣賞を受賞した。公演の見どころとあらすじを2回にわたって紹介する。

撮影:堀 勝志古

 今からおよそ2千年前、ローマ帝国領のパレスチナに一人の青年が現れた。大工の息子ジーザスは人々に新しい教えを説き、数々の奇跡を起こしていた。圧政に苦しむ民衆たちは、たちまちジーザスの言葉に耳を傾けるようになり、彼こそ「救い主」「神の子」とたたえていた。

 しかし、弟子の一人、イスカリオテのユダにとってジーザスは「神の子」ではなかった。そして、ユダは、師ジーザスを裏切る決心をする。ユダをはじめ、マリア、シモン、ペテロといった弟子たち、ユダヤ教の司教、ローマ帝国総督、そして民衆。人々の思いが交錯する中、ジーザスの運命は刻一刻と十字架に向かって進んでいく。

 本作に登場するジーザスは、「神の子」ではなく悩める一人の青年として描かれ、激しく生々しいほどの生き方がリアルに表現される。大胆なまでにあらゆる装飾を削り取った舞台美術も見どころの一つ。土色の傾斜が特徴的な舞台は、作品の持つエネルギーをより一層高めている。

 1973年6月13日、日本初演が中野サンプラザホールで開幕し、美しくも斬新な舞台は、観客に衝撃を与えた。せりふはなく、音楽と歌のみで物語が進むロック・オペラは劇団四季の礎を築き、浅利演出の代表作となった。劇団四季創立70周年、そして演出家浅利慶太の生誕90周年に当たる節目の年。一瞬たりとも見逃せない。

 劇団四季「ジーザス・クライスト=スーパースター」は20日午後6時半から、倉吉市のエースパック未来中心大ホールで。料金はいずれも全席指定でS席1万円、A席8千円、B席6千円(未就学児は入場不可)。入場券は同館、WEBチケとっとり、ローソンチケット(Lコード64040)などで販売中。問い合わせは電話0858(26)8340、日本海新聞中部本社事業課。

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