境港市は本年度から言語聴覚士が個別対応する「聴(き)こえの相談会」を実施している。聴覚の低下に伴い身体的機能や認知機能が衰える「ヒアリングフレイル」の予防啓発の一環。相談者の聴力の現状を把握し、補聴器の利用など状態に応じた助言を行っている。
同市は昨年度、65歳以上の市民を対象に補聴器購入費用助成制度を創設した。初年度は86件、本年度も9月9日現在で36件と利用は好調だが、高額な補聴器を購入しても、使わなくなるケースも多いことから、「補聴器について正しく理解した上で購入してもらいたい」と、制度のフォローアップも兼ねて相談会を企画した。
山陰言語聴覚士協会とタイアップし、5月から月1回のペースで、市保健相談センターで実施している。定員は各回3人。9月18日の相談会には電話が聞き取りづらくなった、最近難聴を意識するようになったという女性2人が訪れた。同協会理事の佐藤勝之さんが、問診や聴覚測定器を使って相談者の聞こえの状態をチェックした。
このうち同市上道町の85歳の女性は、難聴が進み、持参した補聴器を付けても聴力のレベルが変わらないことが判明。佐藤さんから耳鼻科の受診と補聴器の音量を上げることを勧められ、「補聴器は外出時に使っているが、合っていないことが分かって良かった。改めて耳鼻科を受診してみたい」と話した。
相談会は毎月第3水曜日の午後1時半~3時半。事前申し込みが必要(10月は募集終了)。問い合わせは電話0859(47)1131、市地域包括支援センター。