【養老先生に人生相談! 】不登校の息子たちは自然に親しみながら自由に過ごしていますが、将来、社会と折り合いを付けられるか不安です

  •  養老孟司さん(撮影・上所啓二)

 【相談】

 小学6年と中学3年になる男の子の母親です。息子たちはさまざまな事情により5年ほど前から不登校になりました。自宅や寺子屋のような塾で少し勉強し、自然の多い場所で仲間と遊んだり、動物の世話をしたりしながら過ごしています。昆虫が好きで採集して飼育したり、標本を作ったりもしてきます。心身ともに健康ですし、彼らなりに試行錯誤した上で選んだ道なので不登校自体に悩みはありません。ただ、ほとんどの子どもが学校に通い、部活をやって学習塾に通い、受験するという生活をしている中で、わが家のような少数派の子どもたちが社会に出たとき、根本的な感覚の違いに折り合いがつけられるか、少し心配しています。(43歳 パート 埼玉県)

 【養老孟司先生の回答】

 子育ての悩みは、あちこちの講演会でよく相談を受けます。よくあるのは、自然に親しんで育った方がいいとは思うけれど、親としてはつい学校の勉強が心配になる、という内容です。現代社会にそうした葛藤がつきまとうのはもっともです。

 ▽生き方

 その種の相談が少なくないのは、私が教育者だったからかもしれません。大学で教えていた私のような人間がなぜ学校教育に優先してまで子ど...

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