JR伯備線などを走る特急「やくも」(出雲市―岡山間)の新型車両273系の導入に伴い、381系車両が6月15日、42年間の定期運行を終えた。国内最後の国鉄型特急電車として人気を集め、定期運行終了前には、沿線に全国から「撮り鉄」が押し寄せた。一部の人たちのマナー違反が問題となる中、沿線住民が臨時駐車場として土地を無償で貸し出すなど、問題解決に注力。地域住民と撮り鉄の共存共栄に向けた取り組みが図られた。
鳥取県西部を南北に走る伯備線。中でも日野町の根雨-黒坂駅間は、絶好の撮影ポイントが点在し、ファンから「ネウクロ」と呼ばれる“聖地”だ。しかし、2022年から381系の国鉄色や紫色車両のリバイバル運行が順次始まると沿線には撮り鉄が増え、撮影マナーも悪化。田畑への侵入や違法駐車、ごみの放置など住民の迷惑を顧みない撮影行為が横行した。