#2025鳥取県美 -先進施設に学ぶ- (5)神奈川県立近代美術館(神奈川県葉山町・鎌倉市)

  • 一色海岸を望む葉山館。晴れた日には相模湾の向こうに富士山が見える、環境に調和した開放的な美術館だ=神奈川県葉山町(神奈川県立近代美術館提供)
  • 葉山館で開催中の彫刻家・佐藤忠良(1912~2011)の展覧会。代表作「群馬の人」「帽子・夏」などが展示されている=神奈川県立近代美術館 葉山館
  • 常設展示スペースの確保と収蔵スペース拡充のために建てられた鎌倉別館。2019年に増改築を行い、所蔵品を中心に企画展を実施している=神奈川県鎌倉市
  • 鶴岡八幡宮境内に日本で初めて公立の近代美術館として開館。2016年に閉館し、現在は「鎌倉文華館鶴岡ミュージアム」として残っている=神奈川県鎌倉市

 御用邸など別荘地として知られる湘南・葉山(神奈川県葉山町)に神奈川県立近代美術館 葉山館がある。羽田空港から京浜急行線で逗子・葉山駅到着後、バスに乗り換え、三ケ丘で下車。鳥取から約3時間半で着いた美術館は、相模湾の向こうに富士山を望む風光明媚(めいび)な地に建ち、初めて訪れた記者は気持ちが高鳴った。戦後間もない1951年、古都鎌倉(同県鎌倉市)の鶴岡八幡宮境内に誕生した同美術館。館名に近代を掲げた日本で最初の公立美術館として、実験に富んださまざまな企画展を開き、高い評価を得てきた。時を経て現在は、葉山館と鎌倉別館(同市)の2館体制となっている。

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#2025鳥取県美 -先進施設に学ぶ- (記事一覧へ)

#2025鳥取県美 -先進施設に学ぶ- (記事一覧へ)

2025年春に予定する鳥取県立美術館の開館まで約2年となった。着工寸前での凍結、ゼロベースからの再検討、立地を巡る綱引き…。都道府県単位の美術館としては全国でほぼ最後に建設され、開館は県民の悲願と言える。ただ、いまだに「どんな美術館になるか分からない」との県民の声は多い。他の都道府県の公立美術館の運営や展示、地域との関わりなどを取材する企画「#(ハッシュタグ)2025鳥取県美~先進施設に学ぶ」を月1回掲載し、約63億円の投資効果に見合う「公共財としての美術館の役割」とは何かを探る。

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