御用邸など別荘地として知られる湘南・葉山(神奈川県葉山町)に神奈川県立近代美術館 葉山館がある。羽田空港から京浜急行線で逗子・葉山駅到着後、バスに乗り換え、三ケ丘で下車。鳥取から約3時間半で着いた美術館は、相模湾の向こうに富士山を望む風光明媚(めいび)な地に建ち、初めて訪れた記者は気持ちが高鳴った。戦後間もない1951年、古都鎌倉(同県鎌倉市)の鶴岡八幡宮境内に誕生した同美術館。館名に近代を掲げた日本で最初の公立美術館として、実験に富んださまざまな企画展を開き、高い評価を得てきた。時を経て現在は、葉山館と鎌倉別館(同市)の2館体制となっている。