【東京ウオッチ】パリに憧れ故郷愛に揺れたアール・ヌーヴォーの先駆者―サントリー美術館でエミール・ガレ展

いまのTokyoをつかむイベント情報(22日~3月2日)

  •  昼顔形花器「蛾」(エミール・ガレ 1900年 サントリー美術館)(提供写真)
  •  「没後120年 エミール・ガレ:憧憬のパリ」の展示風景((C)田山達之)。花器「鯉」(手前)は1878年パリ万博に出品されたものと同一モデル(エミール・ガレ 1878年 大一美術館)(提供写真)
  •  世界初のコーナーソファをリデザインした最新モデル「SINA」=東京・神宮前(提供写真)
  •  桜が咲き誇る映像を上映するプラネタリウムドーム=東京・有楽町(提供写真)
  •  「桜といちごのアフタヌーンティー“春風”」で提供されるスワンの形をしたスイーツ(提供写真)

 ◎今週の一推しイベント

 【22日(土)】

 ▽「没後120年 エミール・ガレ:憧憬のパリ」(~4月13日、港区)

 花やチョウをモチーフにした色鮮やかなガラス作品などで知られ、アール・ヌーヴォーを代表する工芸家エミール・ガレ。その生涯に影響を与えた“パリとの関係”に着目する展覧会が、六本木のサントリー美術館で開催されている。

 パリ万国博覧会への出品作に加え、初公開となる美術館収蔵資料や自筆文書など110件を通して、ガレの創作と人生を浮き彫りにする。

 フランスの地方都市ナンシーに生まれ、父が営む高級ガラス・陶磁器の製造卸販売業を継承した。自然界を研究し、植物や生物の装飾を繊細に施した芸術性の高いガラス作品や陶器、家具を制作。3度のパリ万博で国際的名声を不動のものにした。

 1878年万博に出品した花器「鯉」は、当時流行のジャポニスムに影響を受け葛飾北斎の絵からモチーフを転用した。学芸員の林佳美さんは「月光色ガラスはこの万博を目指して開発した技術。パリで自作を認めてもらいたいという若い野心が伝わってくる」と話す。

 89年万博では、黒色ガラスを活用して悲しみや生死の物語を表現。「故郷アルザス・ロ...

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