4月6日の「城の日」にちなみ日本城郭協会(東京)は6日、第4回同協会大賞の選定結果を公表した。城郭管理者として成果を挙げた自治体などを顕彰する「調査・整備・活用賞」に尾高城跡(米子市尾高)において国史跡認定につながる発掘調査を実施した同市を選んだ。史跡の価値を顕在化し、成果を短期間でまとめた点を評価。国史跡・米子城跡(同市久米町)と連動した整備活用を期待して選定した。
尾高城は鎌倉時代に始まり、戦国時代に拠点城郭として整備された。1602年ごろに米子城が完成した後、一国一城令により廃城となったとされるまで約400年間営まれた。
市は土地所有者の承諾を得て、2022年1~8月に今まで未調査だった本丸と二の丸の発掘調査を実施。建物跡や堀のほか、当時としては先進的な築城技術だった石垣の跡が見つかった。これまでは土でできた山城と認識されていたが、近世的な城郭に変貌を遂げていた一面が明らかになり、24年2月の国史跡指定につながった。
受賞を受け、大塚一平文化振興課長は「本市の取り組みが評価され、大変光栄に思う。戦国時代の山城尾高城から江戸時代の城郭米子城にかけて、西伯耆の歴史を物語る史跡として今後も引き続き調査を進め、整備と活用に努めたい」とコメントした。