現在の天皇制では、18歳の男の子に結婚について質問せざるを得ない

  •  現代象徴天皇制の研究で知られる名古屋大大学院准教授の河西秀哉さん

 秋篠宮家の長男悠仁親王が、18歳の成年にあたり初めての記者会見に臨みました。男性皇族の成年の記者会見は、父親である秋篠宮以来40年ぶりでした。直近の皇族の成年会見は2022年3月に行われた愛子内親王で、ユーモアに満ちた立派な受け答えが反響を呼び、イメージが大きく転換する第一歩ともなりました。

 秋篠宮と愛子内親王の成年は20歳でしたが、民法が改正されたため、今回の悠仁親王は18歳での会見となりました。質問に対する回答などを書いた紙も用意せず、記者の目を見ながら答えた姿が印象的でした。

 ▽天皇制の本質突く質問

 この質疑応答のなかで、一つ、話題になったものがあります。私は、実はこれこそが、天皇制のあり方を本質的に突く、重要なものであると考えています。

 質問は、将来と留学について尋ねた後で、「ご自身の結婚についてのお考えと、理想とする時期やお相手像についてもお聞かせください」と続きました。たしかに結婚も「将来」ではありますが、留学と結婚の二つを一緒に聞くのは、やや関連性がないというか、取って付けた感は否めません。

 これに対して、ワイドショーのコメンテーターから「結婚の質問は早いと思いますよ。...

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