鳥取市国府町美歎の国指定重要文化財「旧美歎(みたに)水源地水道施設」にある希少植物「ハンゲショウ」の群生地で花が見頃を迎えている。細長い白いひも状の花と、花の近くにある葉が化粧をしたように白く色づくのが特徴。県内では生息地が減っており、県のレッドデータブックで準絶滅危惧に指定されている。
ハンゲショウが群生しているのは、水源地の砂防ダムから、散歩道沿いを約800メートル進んだ勝田ケ平人道橋付近の約200平方メートルの範囲。昨年、施設を管理する美歎水源地保存会(沢田勝会長)が、散歩していた地域住民から群生の情報を聞き、現地で確認した。
ハンゲショウは、平野部の湿地などに群生し、6~8月に花を咲かせる。県立博物館の清末幸久学芸員によると「県内でも急激に数が減っている」という。
保存会は、訪れる人に花を楽しんでもらおうと、6月下旬に群生地周辺の草刈りを行った。施設を流れる美歎川に沿って花を咲かせている。沢田会長は「周遊できる散歩道が整備されているので、多くの人に見に来てもらいたい」と話した。