50年ぶり「おとぎ電車」に再会 西武の車両工場跡地の商業施設で

  •  「おとぎ電車」で活躍した蓄電池機関車B11形B15=所沢市の商業施設「エミテラス」で
  •  展示車両の脇に掲げられた説明文と写真
  •  車両工場への引き込み線の跡であることを表現したレール
  •  商業施設内に置かれた西武鉄道2000系運転用シミュレーター
  •  新交通システムの西武山口線レオライナー。左手下に狭山線の電車が見える=西武球場前駅

 西武鉄道所沢駅(埼玉県所沢市)近くに昨年秋オープンした大型商業施設「エミテラス」に、かつて近郊の遊園地の遊戯施設として子どもたちを魅了した「おとぎ電車」に使われた蓄電池機関車が展示され、昔を知る世代の買い物客らの目を楽しませている。

 おとぎ電車は、戦後ほどなく埼玉、東京の都県境にある狭山丘陵につくられた、西武鉄道系の二つの遊園地「西武園」と「ユネスコ村」の間3・6キロを結んだ線路幅762ミリの狭軌鉄道だ。かわいらしい客車数両を牽引(けんいん)、尾根の緑を縫って家族連れや花見客らを運んだ。1950年に部分開業し、翌年完成している。おもちゃのようなかわいらしい名前だが、52年にはれっきとした地方鉄道に格上げ(?)され、路線名は西武鉄道山口線となった。その後蒸気機関車も導入され鉄道ファンの人気を集めたが、沿線にあるプロ野球西武球団の専用球場(後にドーム化)への足の確保などを目的に、鉄道から新交通システムへと全面的に改築されることになり、山口線は84年にいったん休止、この時おとぎ電車は引退した。

 40年前に引退した機関車が所沢駅近に帰ってきたのには理由がある。この場所は、西武鉄道が長年にわた...

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