シンガポールの若者、特にZ世代(1990年代後半~2010年代前半生まれ)は、出世の野心よりもワークライフバランス(仕事と生活の調和)を優先することで職場に新しい価値観をもたらしている。ただ、多くの人が仕事に追われる日々を送っており、メンタルヘルス(心の健康)の問題がしばしば起こる。
医療・健康の課題に取り組むヘルステック企業が昨年、さまざまな業界で働く1000人を調査したところ、半数近くが一日の勤務後に精神的・肉体的に疲れを感じていた。調査結果から燃え尽き症候群のリスクが懸念される。
また、英コンサルティング会社AON(エーオン)の調査によると、今後1年以内に転職を考えている人の割合が67%となり、世界平均の60%を上回った。現在の職務について「正当に評価されていない」と回答した人は21%で世界平均(13%)を上回り、アジアでは日本と並んでトップだった。
働くシンガポール人の中には「常に『オンの状態(稼働中)』であるべきだ」という意識があり、このプレッシャーがストレスになっている。政府や複数の企業・団体がメンタルヘルス対策を導入しているが、問題の改善にはさらなる対応が必要だろう。(...