中海圏域4市の夏祭りのトップを切り、鳥取県境港市で23日、「第78回みなと祭」が開かれた。新型コロナウイルス5類引き下げ後初の開催で、4年ぶりに会場を水木しげるロード周辺に戻した。夜空を彩る花火を境水道で打ち上げるなどコロナ禍前とほぼ同じ形に近づけて実施された祭りを、市民たちは暑さに負けず満喫し、港町は活気に包まれた。
祭りは関係者約40人が海上安全や大漁を祈った大港神社(同市栄町)での大漁祈願祭で幕を開けた。
2020年、21年は祈願祭のみ営まれ、22年は会場を夢みなと公園(同市竹内団地)に移し、規模を縮小して行うなど、コロナ禍でも歴史をつないできた。
ロード近くに設けられたお祭り広場での開会式で、伊達憲太郎市長は「やっと4年ぶりにここに帰って来た。思う存分、楽しんで」と声を張った。
ロードでは、外江女みこし西華が「わっしょい、わっしょい」と威勢のいいかけ声でみこしを担ぎ祭りムードを高めたほか、境港大漁太鼓荒神会は勇ましい大漁太鼓を披露。広場では、射的を楽しむ子どもやステージで繰り広げられる多彩なパフォーマンスを楽しむ人たちで大にぎわい。祭りを締めくくる花火大会は境水道で約20分間、約千発が打ち上げられ、見物客たちが島根半島に反響する迫力ある音とともに夜空を焦がす大輪の花に酔いしれた。