【インタビュー】「氷の城壁」阿賀沢紅茶さん 傑作リスト入り間違いなし 定型覆す対等な少女漫画

  •  「氷の城壁」1巻の表紙<(C)阿賀沢紅茶/集英社>
  •  「正反対な君と僕」1巻の表紙<(C)阿賀沢紅茶/集英社>
  •  「氷の城壁」の一場面<(C)阿賀沢紅茶/集英社>
  •  「氷の城壁」の一場面<(C)阿賀沢紅茶/集英社>
  •  「氷の城壁」の一場面<(C)阿賀沢紅茶/集英社>

※後段に一問一答があります。

 電子漫画としての連載が完結後、大きな話題となっている作品がある。阿賀沢紅茶さんのデビュー作「氷の城壁」。誰しもが経験した思春期の、その心の葛藤をきめ細かく描き、読者に追体験させる長編だ。集英社から紙での書籍化が始まり「ほそぼそと描いていたので、実際に本屋に並んでいるのを見ると、こんなことってあるんだなという気持ちです」と笑う。

 主人公の小雪は高校1年生。中学での嫌な体験から、高校では周囲に壁をつくって過ごしていた。幼なじみの美姫が唯一の友人だったが、ある日、小雪がふと鏡を見ていると、同学年の男子高校生の湊と陽太が話しかけてくる。内省的な性格の小雪と、明るい美姫、人懐こい湊、優しい陽太。4人の異なる個性の裏には、それぞれの心の葛藤があった…。

 つぶさに描くのは、登場人物たちが、他者ではなく自身の考え方の悪い部分に気付くという展開だ。阿賀沢さんは「人とつながろうとか、人を大事にしようと思ったら、どこかで自分を見直さなきゃいけない。まず自分が大丈夫な状態じゃないと、人間関係はうまくいかないと思う」と話す。

 「氷の城壁」の特長は他にも。少女漫画の定型と異なり、4人...

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