手話言語条例10周年フェス開幕 “聖地”から全国へ発信 普及意義や法整備必要性共有 鳥取

 鳥取県が全国に先駆けて制定した、手話言語条例の制定10周年を記念した、とっとり手話フェス(県、手話パフォーマンス甲子園実行委主催)が16日、鳥取市のとりぎん文化会館で開幕した。24日までの期間中、“手話の聖地・鳥取”から全国に向けて手話言語の普及を図るとともに、老若男女誰もが楽しめる手話イベントを繰り広げる。

 オープニングセレモニーのパネル討議で、全日本ろうあ連盟の石野富志三郎理事長、県聴覚障害者協会の下垣彰則理事長、今井絵理子参議院議員、平井伸治知事が登壇し、手話普及の意義や行政の取り組み、10年先を見据えた課題について活発に意見が交わされた。

 討議の中で今井議員が、聞こえる家族の中で育つろう児について、生まれつき耳の聞こえない息子の育児エピソードを披露。「意思疎通ができず親子で何度も泣いた。初めて手話で『トイレ(に行きたい)』と言われた時のうれしさは忘れられない」と話した。

 下垣理事長は「口話や人工内耳だけでなく、聞こえる親が手話の選択肢を早期に認識することが大事」と強調した。出席者は討議を通じ、誰でも手話が習得できる環境整備▽手話ができる教育関係者育成▽法整備-の必要性を共有した。

 続くトークセッションでは鈴木大地元スポーツ庁長官、県出身のデフゴルフ選手・前島博之氏らが2年後のデフリンピック東京大会を見据えてデフスポーツの魅力や可能性について語り合った。

 17日も同会場で、チャリティーライブ「とっとり手話フェスLIVE」や、耳の聞こえを題材にしたデフムービーシアターなどが催される。

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