2025年春に開館する鳥取県立美術館(倉吉市駄経寺町2丁目)の建設現場で、竹中・懸樋共同企業体の在駐責任者を務める吉田義典さん(47)は湯梨浜町泊出身。「全国最後発となる県立美術館は注目されている。ふるさとに恩返ししたい」と特別な思いを胸に仕事と向き合う。現在の進捗(しんちょく)率は約7割で、県の新たなシンボルとなる県立美術館の建設に力を注ぐ。
「4千人も来ると思わなかった」。上棟記念イベントには来場者が列を作り、県民の期待を肌で感じた。小中学生をはじめ、多くの人に建設現場を見てもらいたいと見学を受け入れ。22年4月から開始し、間もなく9千人に達する。見学者からは「暑い中、ありがとう」「お願いします」などの声をかけられたといい、重責をかみしめる。
「建築は人の手で作る成果の積み重ね。全員がいい仕事をしよう、いいものを作ろうと思わなければ、いいものはできない」と、1日当たり約200人いる職人をまとめることに心を砕く。自身を「何事もあきらめない、必ずやり遂げる性格」と分析。県立美術館の建設には1社でも多くの県内企業に携わってほしいと呼びかけ、約60社が参画した。
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