東京・虎ノ門の菊池寛実記念智美術館で、気鋭の作家25人に注目した「陶芸の進行形」展が開催されている。出品者は公募展「菊池ビエンナーレ」で受賞、あるいは入選しており40代が軸となる。同美術館主任学芸員の島崎慶子さんは「技術が身に付き、さらに昇華できるのがこの年代。彼らの現在進行形を見てほしい」と話す。11月26日まで。
ポスターに起用されたのは星野友幸さんの「練継器」。淡いピンクのマーブル模様が印象的な磁器だ。星野さんの代表的な技法「練継」は、異なる色の土で模様を成す「練上」と、胴の部分で二つのパーツを合わせる「胴継」の二つの技法を掛け合わせたという。
高橋奈己さんの「白磁の実と蕾」は鋳込み成型で作られ、洗練された曲線が特徴だ。手で形作る伝統工芸の世界で、量産の技法である型を用いることは忌避されていた。島崎さんは「枠組みは、新たな世代によって変わっていきます」と言う。
実用性を念頭に置く工芸の枠組みを超えて、個人を表現する現代美術の領域へ制作を広げる一人が桑田卓郎さん。「茶碗」は器の形を成すが、釉薬が縮れてできる「かいらぎ」が、金色でデフォルメされ表面を覆う。
他に、備前焼の伊勢崎晃一...