日本の145カ所の薬局で11月28日、処方箋なしで購入できる緊急避妊薬の試験販売が始まった。避妊が行われなかったり失敗したりした性行為から72時間以内に服用すれば、約8割の確率で妊娠を防げるという。世界約90カ国では、同様の医薬品を薬局で処方箋なしに購入できるが、日本では「安易な性行為につながる」などの意見もあり、販売に踏み切れずにいた。
性暴力被害にあってもすぐに産婦人科を受診できないまま妊娠の恐怖におびえる女性がいまだに少なくないことを思えば、今回の試験販売そしてさらに多くの薬局での一般販売が行われることは歓迎したい。そしてこの機会に、早い段階から妊娠や避妊などについての正しい知識をきちんと教える性教育の必要性についても、もう一度、考えたい。
報道によれば、この2月、公立中学から性教育の講演を依頼されていた産婦人科医が、予定の1週間前になってキャンセルの連絡を受けたという。事前に送った講演で使うスライドに性行為を説明するイラストなどがあったことから、「急にいろいろ教えたら混乱する」とキャンセルの理由を説明されたそうだ。
その産婦人科医は「サッコ先生」という愛称で知られており、生殖...