経済産業省が11月30日に発表した10月の鉱工業生産指数速報(2020年=100、季節調整済み)は、前月から1.0%上昇し104.6となりました。上昇は2カ月連続です。
業種別にみると、業務用機械工業や石油・石炭製品工業の指数は低下しましたが、自動車工業を含む輸送機械工業や電子部品・デバイス工業が上昇したため、全体の指数が改善を続けました。
特に自動車工業は、10月に工場の稼働停止のトラブルがあり低下が懸念されていました。しかし、部品などの供給制約緩和のプラス効果が大きかったようです。同時に公表した製造工業生産予測調査でも12月は上昇が見込まれており、依然けん引役として期待が持てます。
一方、半導体などを含む電子部品・デバイス工業は、新型コロナウイルス流行後に盛り上がりすぎたIT需要の調整によりこれまで低調でしたが、ここに来て急に指数が上昇したため、ようやく底入れの兆しが見られるようになってきました。減産で在庫がかなり減ってきたことが背景にあります。ようやく半導体分野でも在庫調整が終わったといえるでしょう。
ただ、電子部品・デバイス工業の予測調査を見ると慎重な生産計画となっており、こ...