政治への信頼はどこまで失墜するのか、と年の瀬に落胆させられるできごとが明るみに出た。この「信頼」は数値化することがむずかしい感覚だが、実はとても重要な個人と社会の礎だ。
今回、この信頼を揺るがせるきっかけになったのは、自民党派閥が政治資金パーティーを開催した際、売り上げからキックバックを受けて裏金化していた疑いのある議員が複数名いることがわかったことだ。東京地検特捜部は、政治資金規正法違反(不記載・虚偽記入)での立件を視野に捜査しているという。
これは今回、キックバックを受けたとされる数名の議員に限った問題なのだろうか。一部の議員経験者からは「裏金づくりは常態化していた」とのコメントもあり、組織的な工作が慣習となっていたのではないかという疑いも出てくる。
「政治なんてそんなものだよ」という冷めた意見もあるが、それは違う。いろいろな思想信条の議員はいても、みなルールの範囲内で政治活動を行っているはず、という最低限の信頼があってはじめて、私たちは法律の制定や予算案の議決などを彼らに託し、それぞれの仕事などに打ち込むことができる。「政治家はいいかげん、政治はあてにならない」という印象が強く...