政治資金パーティー収入の還流(キックバック)問題で、政治への信頼が地に堕(お)ちている。
「信頼」は、カウンセリングの場では相談者と治療者が築くべきものとして最も重要視されている。では、どうやって治療者は相談者とのあいだに「信頼」の関係を築くことができるのか。カウンセリングの祖といわれる臨床心理学者のロジャーズは、治療者に必要な姿勢や心構えとして、次の3点をあげた。
(1)純粋性(自己一致)
聴き手自身が心理的に安定していること。率直に相談者と向き合う態度。
(2)受容的態度
相談者に批判や非難の目を向けることなく、基本的にはどんな言葉も受け入れながら人として思いやりのある態度で接すること。
(3)共感的理解
相談者が何を話したいか、何を思っているかをできる限り知ろうとし、「私はこのように理解しました」と伝えること。単に追従したり何でも聞き入れたりすることとは異なる。
これらを一言で言うならば、「相手をひとりの人間として尊重すること」となるのではないか。見下したり否定したりせずに、それぞれの人たちが自分の人生を生きながら、感じたりときには悩んだりしていることに心を寄せる。それこそが信頼関係...