落語家青春時代

  •  柳亭小痴楽

 われわれ落語家は入門が許されると前座修業の4年間、休みなしの日々を送る。しくじったり怒られたり、覚えることもたくさんあったりして、ツラいことや大変なことばかりだが、この4年間毎日ずっと一緒にいる前座仲間は、かけがえのない生涯の宝物になる。そしてそれは、修業が終わり二つ目という身分になってからも、真打ちまでの約10年間、変わらずに切磋琢磨(せっさたくま)していく良き仲間でありライバルでもある。

 私には真打ちまでの14年間でそんな仲間がたくさんできた。中でも一番仲良くしているのが、二つ目時代に11人で毎週金曜日に落語会をやっていた「成金」というユニットのメンバーだ。みんな真打ちになって解散してからも、プライベートでも遊ぶし、仕事でも一緒になる。しばらく会えなくて、たまに寄席で顔を合わすと飲みに行っては昔話を思い出し、そんなことがあったねぇ~、と笑いが絶えない。

 私は入門が若すぎて、逆に年を取ってから入ったメンバーの中には最長で17歳違いの人もいる。一般の人たちから見たら不思議な一団かもしれない。皆年齢はバラバラでも芸歴が同じだから、落語家としての青春時代のようなものをみんなで送っていたの...

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