日銀が13日に発表した12月の企業短期経済観測調査(短観)は、大企業製造業の最近の景況感を示す業況判断指数(DI)が9月の前回調査から3ポイント上昇のプラス12、大企業非製造業が3ポイント上昇のプラス30となりました。DIは業況が「良い」と答えた企業の割合から「悪い」と答えた割合を引いた数値で、プラスは景況感が良いと感じる企業が多いことを示します。
市場では、7~9月期の国内総生産(GDP)の前期比伸び率がマイナスになったことから、経済活動の停滞が懸念されていました。しかし、今回の短観の結果によって過度な懸念は後退したと言えるでしょう。
ただ、3カ月後の先行きは大企業製造業がプラス8、大企業非製造業がプラス24に低下し、いずれも「最近」の景況感の改善幅を相殺することには注意を要するでしょう。背景には、他の景況感のデータが示す通り、製造業は海外の活動が弱いことがあります。非製造業も、新型コロナウイルス流行後の経済活動再開に伴う景況感の改善が一服する中で、物価を加味した実質賃金の前年同月比マイナスが続いている状況があり、国内需要の停滞が懸念されていることが推察されます。
一方、今後の経済...