松江市出身の俳優・佐野史郎さんが出演する、島根県を舞台にしたドラマ「島根マルチバース伝」が、3月にNHKで放送される。昨年12月上旬に佐野さんが報道機関の取材に応じ、古里で行われたドラマ撮影の感想を語った。
NHK松江放送局が2022年、開局90周年を迎えたことを記念したドラマ。主人公の門脇ひかりを女優の桜庭ななみさんが演じる。
ドラマは、自分の置かれた環境に不満を募らせるひかりが、異なる選択をした自分の人生「バース」を見ることで気付きを得る物語。女優の夢に挫折し、「自分が輝けないのは島根にいるせいだ」と愚痴をこぼしながら働くひかりは、怪しげなバーのマスターを演じる佐野さんに「バース」を見せられるが、いずれも理想とはほど遠い姿にがくぜんとする。
ロケは昨年11月下旬から12月中旬まで行われ、佐野さんが高校時代に何度も通ったという松江大橋周辺をはじめ、島根県内各地で行われた。橋の近くにあった書店で、江戸川乱歩の作品に出会ったことが芸能界を目指すきっかけになったといい「松江大橋は、自分の人生でも大切な場所」と振り返った。
古里での撮影に「この風景の中でずっと過ごしてきた。ドラマだけど別の人生を生きられて、喜びに満ち満ちている」と充実した表情を浮かべた。
ドラマは3月1日にNHK松江で放送され、BSで全国放送される。