出雲市出身で数理教育の普及に尽くした塩野直道(1898~1969年)の功績をたたえて行われる算数・数学の自由研究コンクール(理数教育研究所主催)の本年度の最優秀賞に松江市内の小学生2人が選ばれた。観光素材を効果的にアピールする方法や、人工知能(AI)にじゃんけんで勝つための方法をテーマにしたユニークな研究が評価された。鳥取、島根両県の児童の受賞は初。
1167点の応募があった小学校高学年の部で受賞した市立母衣小4年の下村岳君(10)はコロナ禍で減った島根県の観光客を増やそうと、大和比(1対1・414)に着目。出雲大社の神楽殿や割子そばなどの写真を撮影し、被写体の辺の長さなどが大和比になるように工夫した独自の観光チラシを作成した。発想の良さや実際の経済効果を生み出そうとする力が評価された。
664点の中から選ばれた低学年の部の市立法吉小3年、青山陽さん(9)は、家庭用AIサービスを相手に2カ月間、1日当たり15回のじゃんけんをし、AIが出す手の傾向と勝敗を記録。期間の途中で青山さんが偏った手を出すと、AIは勝敗が五分五分になるように対応することが分かった。傾向を見つけるための熱意などが受賞につながった。
家族の影響で元々算数や数学が好きという2人。青山さんは「算数をもっと勉強したい」、下村君は「これからも本を読んだりしてもっといろんなことを知りたい」と意欲を見せた。